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中小路萌美「色と形のこと」展

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 西天満にあるOギャラリーeyesで4.4~9の日程で開催されていた中小路萌美「色と形のこと」展。ここ数年、関西を中心に個展やグループ展を精力的に行なっている中小路萌美(1988〜)女史の、同所では昨年以来となる個展。大小合わせて十数点の絵画作品が出展されていました。

 

 自分で描いた風景画に描かれた様々なモティーフを切り取って色面に還元した上でコラージュし、それをモティーフにして改めて絵画を描くという手法をここ数年取り続けているという中小路女史。当方は一昨年にOギャラリーeyesで、昨年に(今はなき)ギャラリーすずきで彼女の個展に接したことがありますが、それらを受けての今回の個展でも着実に絵画的探求が深化しているように感じられ、個人的にはなかなか良かったです。ミニマルに構成された抽象画なのですが、その構成要素が以上のような形で見出されて使われていることで、どこか私たちの生きる生活世界との接点が残されているように見えるわけで、その意味で形態や色彩の存在感やせめぎ合いを見せることとは違った方向性を志向していると言えるでしょう。彼女自身は「言葉には上手くできない。/見えているけど見えていない。触れそうなのに触れない」や「アクリル板で隔たれた向こう側」と表現していますが、「色と形のこと」というタイトルとあわせて、言い得て妙である。

 

 今回の個展では、画面の構成要素である形態がもともと風景画であったことの痕跡が観る側にも見出だせるようにしつらえられていたり、別の風景を構成するかのように配置されたりした作品もあって、「「向こう側」の世界」の描き方の幅が広がってきているように個人的には感じられました。このあたりの微妙な変化にも注視する必要がありそうです。