「泉茂 ハンサムな絵のつくりかた」展&「泉茂PAINTINGS1971〜93」展

関西を代表する画家の一人として長年大阪を拠点に活動してきた泉茂(1922〜95)の画業を回顧する展覧会が和歌山県立近代美術館と大阪市内のYoshimi Arts、the three konohanaで3月26日まで開催されていた。 和歌山県立近代美術館での「泉茂 ハンサムな絵のつ…

「1980年代再考のためのアーカイバル・プラクティス」展+山部泰司トークショー

2月18日〜3月5日の日程で@KCUAで開催されていた「1980年代再考のためのアーカイバル・プラクティス」展は、数年前から同ギャラリーがこの時期に行なっている各年代ごとの回顧展(卒業時に大学によって買い上げられた作品を中心に展示されている)の一環とい…

柳瀬安里「光のない。」展

三条神宮道にあるKUNST ARZT( http://kunstarzt.com/ )で3月7日〜12日の予定で開催されている柳瀬安里「光のない。」展は、柳瀬女史の初個展となる展覧会ですが、控えめに言ってもかなりクリティカルな展覧会でした。在日米軍のヘリパッドの移設先としてと…

当方的2016年展覧会ベスト10

年末なので、当方が今年見に行った545の展覧会の中から、個人的に良かった展覧会を10個選んでみました。例によって順不同です。 ◯「村上隆のスーパーフラット・コレクション」展(2016.1.30~4.3 横浜美術館) 森美術館で個展(村上隆の五百羅漢図展)も開催…

「私、他者、世界、生 ―現実を超える現実―」展

箕面市にあるコンテンポラリーアートギャラリーZONE( http://art-gallery-zone.com/ )で12月10日〜27日の日程で開催されていた「私、他者、世界、生 ―現実を超える現実―」展。詩人の京谷裕彰氏のキュレーションで、OKA、川崎瞳、松平莉奈、松元悠、百合野…

「見えてる風景/見えない風景」展

高松市美術館で開催中の「見えてる風景/見えない風景」展。当方は今回初めて訪問したので知らなかったのですが、高松市美術館は「高松コンテンポラリー・アニュアル」なる企画展を定期的に開催してまして、今回の「見えてる風景/見えない風景」展はその第…

早瀬道生「表面/路上/その間」展

KUNST ARZTで9月13〜18日の日程で開催されていた早瀬道生「表面/路上/その間」展。京都造形芸大の大学院に通っているという早瀬道生(1992〜)氏の、同所では初めての個展です。 今回出展されていたのは、今年7月に沖縄本島に赴いて撮影した写真作品と、…

「辰野登恵子の軌跡 イメージの知覚化」展

BBプラザ美術館で7月5日〜9月19日の日程で開催されていた「辰野登恵子の軌跡 イメージの知覚化」展が俺得過ぎてもう何も怖くない。画家の辰野登恵子(1950〜2014)の回顧展といった趣の展覧会でしたが、彼女の最初期の作品から晩年の絵画や版画までまんべ…

レイチェル・アダムスの近作について

現在佐藤美希女史の個展「DIVER」展を開催中(9.16〜10.9)のYoshimi Artsですが、そういった企画展の合間にときおり開催される「Flexible Exhibition」は、オープンするかどうかを当日にSNS上で告知したり積極的に展示替えを行なったりするなど、常設展であ…

小川万莉子について

西天満にあるOギャラリーeyesでは時折「tourbillon」(フランス語で「渦巻」の意)と題する企画展が開催されています。基本的には若手〜中堅の画家二人展を週替わりで二セットという形式で行なわれていますが、第14弾となる今回、前半として8月22〜27日の日…

加藤巧「ARRAY」展

the three konohanaで開催中の加藤巧「ARRAY」展。主に海外でアーティスト・イン・レジデンスなどの活動を続け、昨年のはならぁとではメイン会場の一つだった今井町(奈良県橿原市)でキュレーターも担当するなど、近年は日本国内でも活動の機会を増しつつあ…

「to be 様々なる意匠 or not to be 様々なる意匠」展

伊丹市にある創治朗( http://gallerysojiro.wix.com/sojiro )で6月18日〜7月10日の日程で開催されている「to be 様々なる意匠 or not to be 様々なる意匠」展。現在地にギャラリーとしてオープンして以来一周年になるそうで、それを記念して企画されてい…

迎英里子について

ところで、当方が今年1月から6月末までの上半期に見に行った展覧会の数は美術館・画廊・オルタナティヴスペースetc合わせて283でしたが、その中でもベストというわけではないにしても、個人的に最も目からウロコが落ちたのが、寺町三条にあるGallery PARC…

迎英里子について

ところで、当方が今年1月から6月末までの上半期に見に行った展覧会の数は美術館・画廊・オルタナティヴスペースetc合わせて283でしたが、その中でもベストというわけではないにしても、個人的に最も目からウロコが落ちたのが、寺町三条にあるGallery PARC…

井上裕加里の新作-近作について

過日、京都嵯峨芸術大学で開催されていた「韓日藝術通信」展(6.17~29 出展作家は下記)を見に行きましたが、日本側・韓国側ともども適度にモダンアート的な、あるいは適度にポリティカル(・コレクトネス的)な作品が多く並んでいた中、井上裕加里(1991~…

上出惠悟「熊居樹孔」展

Yoshimi Artsで6.18~7.10の日程で開催の上出惠悟「熊居樹孔[ゆうきょじゅこう]」展。九谷焼の窯元である上出長右衛門窯の後継者として、九谷焼をベースにしつつも狭義の工芸にとどまらないコンセプチュアルで知的な想像力を豊かにたたえた作品を多くもの…

金サジ「STORY」展

蹴上にあるアートスペース虹で5.3~15の日程で開催されていた金サジ「STORY」展。写真作品を多く手がけている金女史の、同所では昨年に続く個展とのことですが、当方が彼女の作品に接するのは2012年にGallery PARCで行なわれた個展以来となります(爆)。 今…

佐川好弘「インスタント」展

枚方市にあるNote Galleryで4.10~5.1の日程で開催されていた佐川好弘「インスタント」展。佐川好弘(1983~)氏は関西を中心にゼロ年代前半から作家活動を続けていますが、今回は近作を中心に、オブジェ、パフォーマンスの記録映像、写真、陶、ZINE(2013年…

麥生田兵吾「Artificial S1 眠りは地平に落ちて地平」展

Gallery PARCで4.15~5.1の日程で開催されていた麥生田兵吾「Artificial S1 眠りは地平に落ちて地平」展。京都市内各所で毎年4月から5月にかけて同時多発的に開催されている写真展「Kyoto Graphie」のサテライト展といった位置づけの「KG+」の参加企画。Gall…

中小路萌美「色と形のこと」展

西天満にあるOギャラリーeyesで4.4~9の日程で開催されていた中小路萌美「色と形のこと」展。ここ数年、関西を中心に個展やグループ展を精力的に行なっている中小路萌美(1988〜)女史の、同所では昨年以来となる個展。大小合わせて十数点の絵画作品が出展さ…

亜鶴「CARTOON」展

谷町六丁目にあるspectrum galleryで3.18~28の日程で開催されていた亜鶴「CARTOON」展。関西を中心にしつつ、先だって原爆の図丸木美術館(埼玉県)で開催されて話題となった「私戦と風景」展の出展作家に名を連ねるなど着実に調子を上げてきている感のある…

谷川千佳「冬の融点」展

DMO ARTSにて3.9~22の日程で開催されていた谷川千佳「冬の融点」展。谷川女史の個展は同所では二度目になりますが、大作も小品も充実した出来を見せており、なかなか見ごたえがありました。ここ数年、一頃のマニエリスム的な傾向から平明な表現へと移行して…

上瀬留衣「一昨日見に来てください -oxymoron-」展

Gallery OUT of PLACE NARAで2.26~3.13及び3.31~4.10の日程で開催されていた上瀬留衣「一昨日見に来てください -oxymoron-」展。大阪を中心に活動している上瀬留衣女史の、同ギャラリーでは初となる個展。家/家族や自身の生理的な感覚、記憶などをベース…

「新シク開イタ地」展

神戸アートビレッジセンター(KAVC)で2月25日~3月6日の日程で開催された「新シク開イタ地」展。KAVCのある新開地を字義通り“(埋め立てによって)新しく開いた/開かれた土地”と読み替えた上で、「地」「土地」「大地」」とは何かという視角から再考す…

山部泰司「ここからはじまる風景画」展

奈義町現代美術館で2.13~3.13の日程で開催されていた山部泰司「ここからはじまる風景画」展。荒川修作+マドリン・ギンズの《遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体》や磯崎新氏の建築などで知られるこの奈義町現代美術館ですが、なにぶん岡山県と鳥取県の…

当方的2015年展覧会ベスト10

年末なので、当方が今年見に行った523の展覧会の中から、個人的に良かった展覧会を現代美術限定で10個選んでみました(順不同)。 ○「検証:斎藤義重の現場へ」展(3.9~28、4.8~25 朋優学院高等学校T&Sギャラリー) 斎藤義重(1904~2001)が最晩年の1997…

「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」展

Director’s Eye #3 「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」 - the three konohana Director’s Eye #3 「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」 - the three konohana 大阪市此花区にあるthe three konohanaで開催中の「OBJECTS IN MI…

2014年 当方的展覧会ベスト10(後編)

続いて、後編です ・「在日・現在・美術」展(4.18~5.17 eitoeiko)※出展作家:チョン・ユギョン[鄭裕憬] リ・ジョンオク[李晶玉] チョン・リエ[鄭梨愛] リ・チョンファ[李靖華] チョウ・チャンフィ[曺昌輝] 朝鮮大学校の美術科に通う学生たちの…

2014年 当方的展覧会ベスト10(前編)

2014年 当方的展覧会ベスト10(前編) 年末なので、当方が今年見に行った472の展覧会の中から、個人的に良かった展覧会を現代美術限定で10個選んでみました(順不同)。まずは前編 ・「無人島にて 「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」展(9.26~10…

「無人島にて 「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」展

無人島にて 「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション Galerie Aube ここ数年、海外での「具体」や「もの派」の人気もあって、戦後日本の美術の動向が回顧される機会がとみに増えてきているが、そんな中でも、(「もの派」がムーヴメントとして一段落した…

2013年 当方的展覧会ベスト10+2(Appendix)

――この二つは当方も作品制作以外のところでちょいちょい関わったので、一応別枠で ・Jimin Chun+川村元紀「ハルトシュラ mental sketch modified」展(CAS) 詳細は該当記事(http://d.hatena.ne.jp/atashika_ymyh/20130628/1372417699)参照。 ……で終わっ…

2013年 当方的展覧会ベスト10+2(後編)

続いて、後編です。 ・「であ、しゅとぅるむ」展(1.9〜20 名古屋市民ギャラリー矢田) ※出展作家:あいちはぶ(池田健太郎、辻恵、文谷有佳里、もぐこん) 泉太郎 伊藤存 ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ 小林耕平×山形育弘×伊藤亜紗 坂本夏子+鋤…

2013年 当方的展覧会ベスト10+2(前編)

年末なので、当方が今年見に行った中から、個人的に良かった展覧会を現代美術限定で10+いくつか選んでみました(順不同)。まずは前編 ・中原浩大「自己模倣」展(9.27〜11.4 岡山県立美術館) 1980年代〜90年代前半の日本現代美術について考える際に避けて…

「ハルトシュラ mental sketch modified」展

難波にあるCASで開催中の「ハルトシュラ mental sketch modified」展(http://cas.or.jp/2013/JandK/index.html)。韓国人のジミン・チョン(Jimin Chun)女史と、主に関東で制作活動をしている川村元紀氏の二人展で、長谷川新氏がキュレーションを行なって…

当方的2012年展覧会ベスト10(後編)

当方的2012年展覧会ベスト10(前編)の続きになります。こちらは本当に簡単な感想のみ↓ ・辰野登恵子・柴田敏雄「与えられた形象」展(8/8〜10/22 国立新美術館) 管見の限りにおいて、前評判と見に行った人たちの実際の評価が(もちろん良い方向に)これほ…

当方的2012年展覧会ベスト10(前編)

年末なので、当方が今年見に行った中から、個人的に良かった展覧会を現代美術限定で10+いくつか選んでみました(順不同)。 今年は美術館での展覧会に気合の入ったものが多かった――少なくとも俺得な展覧会のほとんどが美術館でのものでした――のが特徴的だっ…

ちょっと東京行ってました

当方9月7日〜10日の日程で東京に行っておりました。向こうでやっている展覧会の中からめぼしいものを見に行ったり、知人と会ってきたり。 以下、この四日間で見てきた展覧会の一覧です↓ ◯9月7日 ・「特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」展@東京…

「リアル・ジャパネスク 世界の中の日本現代美術」展

国立国際美術館で開催中の「リアル・ジャパネスク 世界の中の日本現代美術」展(以下RJ展と略)。《20世紀後半における欧米美術の進展の行き詰まりにつづく価値の多様化、1960年代生まれの美術家の仕事の超克、美術情報の氾濫――こうした問題を克服して、真に…

「Blind Spot vol. 1 写真の現在」

河原町三条にあるMedia Shopにて5月23日に開催された「Blind Spot vol. 1 写真の現在」。タイトルからも分かるように、「写真」について、写真家(本人は「美術作家」と自称しているそうだ)の鈴木崇(1971〜)氏と写真史研究家の林田新(1980〜)氏が縦横…

公開研究会「市田良彦『革命論 マルチチュードの政治哲学序説』(平凡社新書)をめぐって」

京都大学にて4月21日に行われた「公開研究会「市田良彦『革命論 マルチチュードの政治哲学序説』(平凡社新書)をめぐって」」。京都大学人文科学研究所内の研究班「ヨーロッパ現代思想と政治」(http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~philo-politics/)の研究…

続・お知らせ

先日告知したとおり、画家・アートスピーカーの辻大地氏が主宰するアート系トーク番組「art☆fan」(http://www2.ocn.ne.jp/~art2g/ustream.html)に出演してきました。ご覧頂いた皆様ありがとうございます。アーカイヴ配信もあるとのことですので、見逃した…

お知らせ

3月18日14:30から配信されるアート系トーク番組「art☆fan」(http://www2.ocn.ne.jp/~art2g/ustream.html)にゲスト出演します。番組タイトルは「肉体文学から未来政治まで」で、当方は丸山眞男が1949年に『展望』誌上に発表した小論「肉体文学から肉体政…

「「万博」へ、「万博」から。」

3月4日に京都造形芸術大学・春秋座で開催されたシンポジウム「「万博」へ、「万博」から」。同日まで学内で開催されていた2011年度の卒業制作展の関連イベントとして開催されたもので、現代美術家の岡崎乾二郎氏とヤノベケンジ氏、建築学者の五十嵐太郎氏…

「神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外――第7回 ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェティ》について」

新長田にある神戸映画資料館で26日に開催された「神戸映画資料館レクチャー:映画の内/外――第7回 ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェティ》について」。当方、ここを訪れるのは今回が初めてなのだが、近年「映画の内/外」と題した講座を1〜2ヶ月に…

「人文研アカデミー 日本からみた68年5月」

京都大学で2月5日に開催されたシンポジウム「人文研アカデミー 日本からみた68年5月」。京都大学人文科学研究所内の研究班「ヨーロッパ現代思想と政治」の主催によるもので、昨年発売された西川長夫氏の新著『パリ五月革命 私論』(平凡社新書)の刊行記…

ご挨拶

始めました。